柴本礼さんは、脳卒中の後遺症として高次脳機能障害となった夫を支えています。世の中にはまだあまり知られていない障害であるだけでなく、ご本人に病識がなく、トラブルだらけの毎日を過ごしています。暗い話になりがちですが、その様子をユーモアとイラストレーターとしての才能を生かして、「日々コウジ中」「続・日々コウジ中」という読んで楽しく、高次脳機能障害のことがよくわかる本を著しています。また、高次脳機能障害のことや、その人を支える家族が本当に必要としていることを伝えるために、積極的な講演活動を続けています。
高次脳機能障害に関しては国立障害者リハビリテーションセンターの「高次脳機能障害情報・支援センター」に詳しく解説が載っています。ぜひご一読ください。
2019年3月2日(土)、東京都文京区にある文京学院大学の教室をお借りして、講演会を開催しました。約40名の聴衆が熱心に耳を傾けていました。柴本さんの、率直でユーモアにあふれたお話は、とても分かりやすく、また受け止めやすいものでした。とくに、高次脳機能障害者のご家族として、「支え手が倒れてしまっては本人も倒れてしまう、障害を持つ本人ももちろん大切だが、それを支える人たちにも温かい支援の気持ちが向いてほしい」という訴えは切々と伝わるものでした。
講演後には、多くの方がご著書「日々コウジ中」「続・日々コウジ中」をお買い求めになりました。柴本さんはその場で、一冊一冊手書きのイラストを描いてくださいました。
パイロットインターナショナルの3つの活動方針ABCのうち、Cは障害などを持つ方をケアしている家族に、あたたかい思いやりを届けようというものです。
この講演会を通して、一人でも多くの方が障害を持つ人だけでなく、それを支えている御家族にあたたかい支援の気持ちを持っていただくきっかけになればと願っています。